仲の良い友人からの相談が発端だった
私には仲の良い友人がいました。独身時代から知っていたので、彼女のことは親友だとも思っていました。そんな彼女が結婚をして子どもを産んで、そんな彼女のライフスタイルも理解していたと思っていたのです。
そんな彼女から相談を持ち掛けられたのは、一緒にランチに行ったときのことでした。相談を受けながらどうするべきか迷ったけれど、結局彼女の涙に私は騙されてしまったのです。
彼女の夫が浮気?そんなはずはないような夫だけれど…
彼女とランチをしているとき、彼女がさえない顔をしていました。私はそれが心配になり、彼女に悩みがあるなら相談に乗るよと言ってしまったのです。この言葉がいけなかったのかもしれませんね。
彼女が私に話してくれたこと。それは彼女の夫の浮気についてのことでした。夫が浮気をしていて、家庭にお金を入れてくれなくて困っているという話でした。浮気をするならば、離婚も視野に入れているし、家庭にお金を入れてくれないのであれば、むしろ離婚をして養育費をもらった方がまし…という話をしてくれたのです。
でも彼女にはまだ夫への愛情があるし、子どもも守っていかなくてはいけないという責任感ものしかかり、どうしていいのかわからないと泣き出してしまったのです。
涙は本当かどうかわからない、でも目の前の状況に私も信じてしまった
泣き出す彼女を見て、私は彼女を不憫に思いました。そして夫には怒りさえ覚えたのです。
そんな彼女から、生活費が全然なくて困っている。それにお金があれば離婚に向けて証拠集めもできると話を打ち明けられたのです。同じ子どもを持つもの同士、生活にお金がかかることは理解できます。彼女の夫のせいで、子どもたちまで不憫な思いをするのもかわいそうと思って、とりあえず10万円貸してしまったのです。
なぜ10万円だったか?実は私は彼女に会う前に銀行で生活費として銀行からおろしていたのです。それをそのまま彼女に貸しました。大切な親友だしと思っていたからきっと返してくれると信じていました。
急に連絡が取れなくなった彼女
そんな彼女と食事の後も連絡を取り合っていたのですが、ある時から急に連絡が取りづらくなりました。彼女は離婚の準備に忙しいというけれど、お金の話をしてもはぐらかすし、そのうち連絡自体が取れなくなってしまったのです。
しかし私もお金を貸してしまった身。お金を返してもらわなければと焦りました。一方で彼女のことだから大丈夫だと信じてもいたのです。そのうち、私の友人から同じような境遇にあった友人を知ることになりました。お互いにびっくりしましたが、あの彼女が?とまだまだ信じる気にもなれず。しかしお金も気になっていたので、彼女の自宅に行ってみることにしたのです。
するとすでに転居した後だったのです。私たちは愕然としました。
お金を貸す時には簡単に信じては絶対にダメ!
結局共通の友人に聞いてみて真相がわかりました。
彼女の夫が浮気、そして離婚を考えているということは全くの嘘でした。ことの真相は、彼女の夫が経営するレストランがつぶれそう。そしてその資金繰りに困っているというところから、手あたり次第、彼女も協力してお金を借りていたのです。しかも友人から。
それならレストランに行ってみたらわかるのでは?と思うでしょう。しかしそのレストランは実際につぶれてしまったのです。そして彼女たち夫婦はレストランもしめて、自宅も引っ越してとん挫したのです。
友人に聞いても彼女の居場所を知る人はいませんでした。そしていまだにお金も返ってこないままです。お金の切れ目は縁の切れ目。本当にお金を貸す時にはあげる覚悟で貸さなければだめですね。そしてもう縁が切れてもいいやくらいの思いでなければだめだと改めて思いました。